1.きれいな風景を求めて
数年前まで、中国でこんなに住むことになるとは思っていなかったので、以前は私も人並みの中国観光旅行をしようと思っていた。
その中で行きたい場所は
①(宇宙から確認できる人工物と名高い)万里の長城
②(水の風景が独特でトレッキングも楽しめる)九寨溝
③(いかにも中国という水墨画の世界の)桂林
の3カ所だった。世界遺産でも文化遺産(特に石や土の装飾の違い)にはあまり興味がない。正直、見ても感動がない。近くにあると分かっていても敢えて行かないことが多い。
文字や書物、文明を観光名所にたくさん持つ中国で、魅力を感じる場所はあるのだろうかと少し心配しながら中国に来たものだ。今では行きたい場所がたくさんある。しかし、そこは初志貫徹し、世界遺産に向かった。
2.誰もが魅力を感じられる場所
①九寨溝
今回の旅行の最初に思いついた目的地でもあるので、天気の良い日に2日くらいかけてじっくり回ろうと思っていた。
下は龍南から九塞溝までのバス。80元。
夏は雨が多いとの事前調べから、入園チケットもこのエリアを離れるバスのチケットも予約せず、臨機応変に対応できるようにして向かった。
九寨溝の入場エリアまで車で5分の所にある宿に到着後、さっそく翌日からの天気を確認。幸いなことに翌日から3日間は天気良好なようなので、ちょっとだけ割引の2日通しチケットを購入した。434元。
ただ、嫌な予感はしていたのですよ。自分の体に。
甘南で頭痛とめまいに悩まされた私は、蘭州市内の薬局で高山病の薬を探した。買うときに、「チベット行くのか?九寨溝?じゃ、いらないよ。甘南で高山病?なるわけないじゃーん!」みたいに一笑に服された。そこを無理やり買ったのですよ、私は。
山に入る前、ロンナンのバスターミナルで既に事前に一つ口にした。せっかくの景色を楽しむために警戒心はMAXで臨みます。
翌朝。大丈夫、痛くない。高い薬だけれども、ここは惜しみませんよ。朝食後にしっかり飲んで公園へ向かう。
しかし、入園後に園内バスに揺られて30分程度進んだ場所で美しい池を堪能し、少しずつ森の中のハイキングコースを歩いて昼食を食べようと腰をおろす頃には、少し前に経験した体のだるさと肩こりが。すぐに薬を追加で飲むけれども、焦点定まらず。きれいな景色に目がくらんだのかな?…ゆらゆら揺れる景色をフラフラと下っていった。
翌朝はもっと顕著だった。頭痛と肩こりが目が覚める前からあった。もう疑いは確信に変わっていたけれど、そこはこの旅の本来の目的地!!チケットも2日券だし!!今日も行きますよ。
観光客の多くは、1つの湖を見ると次のポイントまでバスを利用するアイランドホッピングみたいな見方をするけれど、時間がある私は点ではなく線でものを見たいという心情があり、結局、歩いて歩いて頭痛をひどくする。だんだんと景色も同じに見えてきた。もういいよ。...昼ごはんを食べるとバスに乗って下山した。
...もうとっくに、ここより標高の高いと噂の黄龍に行く気は失せていた。高山病、恐るべし。
宿でベットにもぐり込み、消えない頭痛と戦いながら調べものをして過ごした。つづく
行程:高速鉄道で蘭州〜ロンナン(4時間)、市バスでバスターミナル2元(15分)、長距離バス九寨溝中心部(!)80元、九寨溝観光地までのタクシー120(30分)
宿:Leisure Inn (朝食付、4人ドミ、160元)
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