手が触れるまで数センチ！
九寨溝の宿で成都から来る人は世界遺産の入場時にPCR検査が必要になるかもと言われたり、今から成都に戻る外国人旅行者が宿の人に交通手段を相談したりしていた。中国全土の健康関係の官報には成都の自粛エリアが増え、行動制限が増えている様子が刻々と記載される。しかし、来た道を戻る気持ちにはどうしてもなれない。蘭州に戻るにも甘粛省はこの数日で四川省から来る人に制限をかけ始めていた。
結局、成都方面のバスを選択した。ただ、ちょっと手前の都江堰で下車する安全策をとろう。成都発の飛行機を予約して、バスで都江堰まで来た。飛行機に乗る時にPCRを要求されてもいいように翌日に検査を受けられる病院へ行くことを考えて３日後のエアチケットにしたら、その３日間で飛行機が飛ばないことになるキャンセルが３回あった。空港で感染者が出たため、西安空港経由は軒並みキャンセルされる。
西安、遠い…。
２回目くらいで高鉄の選択肢も考えたが、高鉄の駅に行くまでに中风险(中リスク)区域を通る上に翌日にはその駅での乗り降りが制限された。
４回目のエアチケットは直行便にした。これが飛ばなかったら職場に相談しよう、と考えていたら…飛んだ。PCRの結果を要求されることも健康码が黄や赤になることもなかった。こうして、“長江を楽しむ”という選択肢は全く頭に浮かばないような後半の行程が終わった。
３．その後のコロナとのお付き合い
私は前半の旅ができただけでもラッキーで、夏の後半に旅行を入れていた人たちは軒並みキャンセルしていた。
そして、北京オリンピックに向けて気合いの入る政府はその後も規制を緩めることなく、我々の職種では省内どころか市内からも出られない日々が再び訪れた。旦那には「それはロックダウンでは？」と言われたが、最初の春節～労働節あたりのロックダウンを知っているものとしては、今は「信号無視はいけませんよ」程度のものだ。
ただ、旅行に行けない不自由さに変わりはなく、早く自由が欲しいと思いながら長期休暇は家でダラダラ過ごした。つづく
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